Rufi 入院する


自宅での投薬治療が続いて、1ヶ月。


再び、獣医さんの診断を受ける。

 

検査の結果、カンピロバクター菌の増殖は確認されなかった。

 

それまでの経緯から判断して、腸炎は納まったのではないか、とのことになった。

 

安心して家に帰る。

 

Rufiも誕生から半年が過ぎ、体も大きくなってきた。

 

当初は猫部屋に限っていた行動範囲も、寝室や居間にも、自由に行き来するようになっていた。

 

相互の信頼関係も、ますます深さを増していたからだ。

 

だが、そんな平穏な日々が続くのも、束の間のことだった。

 

投薬を終了して10日ほど経ったとき、Rufiがじっとしたまま動かなくなった。


寝室のベッドに乗ったまま、丸く体を固めている。

 

もしや、と思い猫トイレを見に行くと、赤いものが混じった便をしていた。

 

しかも、今までよりも容態が悪いようで、動作が緩慢でグッタリしているように見えた。

 

急いで病院に連れて行く。

 

いつもなら好奇心にかられて、あちこち探検していた診察室の中でも、診察台にうずくまったままだった。

 

検査の結果が出る。

 

再び腸内にカンピロバクター菌が大量発生していて、炎症をぶり返していた。

 

カンピロバクター菌の執拗さに、愕然とした。

 

こんなことを繰り返していたら、これからRufiはどうなってしまうのだろう。

 

どんな手段を使っても、カンピロバクター菌をやっつけて、完治させたいと思った。

 

獣医さんと相談の結果、4日間の入院をさせて、点滴により徹底的に殺菌を施すことを選んだ。

 

副作用も心配されたが、他に有効な手段がないようにおもえた。

 

Rufiが、エリザベスカラーをして、点滴針を刺されて、狭いケージに入れられるのを確認して、病院を後にする。

 

「ニャン、ニャン」

 

訴えるような鳴き声が、暫く耳から離れなかった。