
アンティーク系の雰囲気があるバラが好きだ。
グリーンスリーブスも、ネット検索で見た画像の良さと、名前の親しみ易さで、お迎えすることを決めた。
きっと、有名なイングランドの古歌から名前をとったのだろう。
歌の歌詞の解説によれば、「グリーンスリーブス」とは、女性の比喩に使われているとのこと。
中世・ルネッサンス期では、グリーンには不倫の意味があったのだそうだ。
清楚な中にも、どこか妖艶さを忍ばせているこのバラの姿に、まさにピッタリのネイミングだと思っている。

シャルル・マルランと同時期に迎えたため、大型木製プランターの左右に植えることにした。
たまたまの結果であったが、この二種を隣同士にしたことは正解だった。
両者が寄り添って咲く光景には、優雅で退廃的な趣さえ漂っていると思う。

シャルル同様に、迎えて3~4年の間のグリーンスリーブスも、かなり世話の焼ける存在だった。
箒咲きの花は小さく、色の褪せた白っぽいものが多かった。
色合い豊かな花が秋にも咲くようになったのは、つい最近のことだ。
この花の色はグリーン系に種別されている。
だが実際には、ツボミのうちは茶色がかったローズピンク→ 淡いピーチ色で開花→ 中盤はサーモンピンク→ 終盤は個性的な黄緑へと変化する。
その色の移ろいの様子が多彩であり、何とも優雅なのだ。
そして、花期が抜群に長いのもグリーンスリーブスの持つ魅力のひとつである。
残念なことに、香りはわずかである。
しかし、それを差し置いても余りある、ロマンティックな立姿の美しさ。
高さは1.5m以上に育つが、横幅は50㎝程度にコンパクトにまとまる。
樹形は木バラのような木立性が強い性質だ。
ドナウディの歌曲、「かぎりなく優雅な絵姿(Vaghissima sembianza)」
グリーンスリーブスの写真を眺めていると、どからかこの歌の旋律が聞こえてくるような気がする。

Greensleeves
作者:Harkness 、系統:F、作年:1980 、産地:イギリス 、色:淡いピンク色からグリーン 、香り: 微香、開花性:四季咲 、花形: 丸弁咲き(中輪)、樹形: 木立性(1.5mにはなる)
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