
アビシニアンは、バレエキャットと言わる。
頭が小さくて手足の長いアビシニアンの体躯は、まさにバレリーナのように優雅だと思う。

お澄ましのときのアビシニアンには、ちょっと近寄り難い雰囲気がある。
しなやかで、筋肉質で光輝いて見える。
ところが、性格は見かけとはまるで逆。
人懐っこい庶民派猫。
甘えん坊で、腕白で少々ドジなところあり。
この外観と内面のアンバランスが、アビシニアンが持つ最大の魅力だと思う。

アビシニアンは、約4000年前の古代エジプトの壁画に描かれた、「聖なる猫」の末裔との説があるそうだ。
だとすれば、最古の家猫においてなる。
古代エジプトでは、ネズミやコブラなどの害獣駆除の為に、猫が家畜化された。
愛玩動物というよりは、安全な生活をもたらす共生者として重宝にされた。
そんなこともあり、猫はやがてお守りとして描かれるようになる。

古代エジプトも後期になると、猫は更に崇拝され、神格化されて、女神の化身とされる。
こうして「聖なる猫」が描かれるようになった。
それでは、アビシニアンの本当のご先祖様はだれ?
1868年に勃発したアビシニア戦争に参戦したイギリス兵が持ち帰ったズーラという猫から、現在のアビシニアンが作られたことが知られている。
このズーラがどんな猫かは良く分からないけど、きっと古代エジプトの「聖なる猫」の血を引いているのだろう。
時として、高貴な一面を覗かせることのあるアビシニアン。
きっと彼らの中には、古代人との共生の歴史の中に育まれた、「聖なる猫」のDNAが刻まれているんだろう。

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