
バラにも、写真写りの良い品種と、悪いものとがあるとおもう。
ペレニアブルーは、あきらかに後者のほう。
小さな花が、房になって咲き誇るランブラー系は、ひとつひとつの花を見せるのではなく、株全体が絵になる。
素人が写すスマホ写真では、それををうまく伝えられない。
特に、ツルバラになると、ピントを合わせることだけでも難しい。
ペレニアルブルーの、紫系の味わい深い色彩には、他の品種にない存在感があるのに、それをありのままに再現できないのは残念だ。

ペレニアルブルーとの出会いも、他の品種と同様に、ネット検索だった。
東側の壁に、明り取りのガラス窓があるので、バラで縁を飾りたいと考えていた。
外壁が黄色なので、紫系を合わせたら綺麗だとおもった。
それに該当しそうなバラを探すと、ソーニャドールとペレニアルブルーに2種に辿り着く。
このふたつからペレニアルブルーを選んだ理由は、色彩がより明るい紫に見えたこと。

ひとつひとつのサイズはちいさいけど、花の内部に薄い黄緑色が入り、より華やかな感じがすること。

それから、6年が経つ現在まで、新しく出たシュートは2本だけなので、あまり旺盛にシュート替えするタイプではない。
それでも、それぞれの枝から分岐したものが、長いもので3m位に伸びている。
棘は少なく、枝も細いので、ツルバラとしての扱いは楽なタイプ。
返り咲き性の品種とされているが、我が家では、まだ一度も春以外に花をつけたことはない。
ツルバラを、プランター栽培している限界なのかな、とも考えている。
ツボミのときは、赤紫より、さらに赤に近い色彩。
咲きだすと、濃い紫になり、終わりの頃は脱色してローズピンクに近くなる。

その間、一貫して、中心の薄黄緑色は保たれる。
中心部の色は真っ白ではなく、黄緑色が混じっているように見える。
花は摘まずにおくと、秋には朱色で小さなローズヒップをつける。
以前は、返り咲きを期待して、花柄をとっていたけど、この頃は一季咲きとして、ローズヒップを楽しむことにしている。

中香とされていけど、ほとんど香を感じたことがない。
ただ、色彩といい、咲き姿いい、他の品種との協調性に優れたバラである。
こういう性格は、庭造りには欠かせない存在だとおもう。

シンデレラもそうだけど、ドイツのバラには貞操の良さと、堅実性を感じる。
このような、自己主張のあり方には、深い共感をおぼえてしまう。
さすが、殿堂入りしたドフトボルゲを産出した、タンタウだけのことはある。
Perennialは、「一年を通じて続く」、の意味。
残念なのは、その名前に反して、一季咲きの状態になっていること。
このバラが、「Perennial Bule」の名が示すように咲いてくれたら、明り取りのガラス窓を、年中飾ることができるのに。
そこで、今年の秋には、ペレニアルブルーの横に、ERのフォールスタッフを植える予定。
そのためには、3mに伸びたペレニアルを全体として、左に50㎝ほど移動させる必要がある。
かなりの重労働になりそうだけど、チャレンジしてみようとおもう。

Perennial Blue
作者: Tantau、系統: CL/つるバラ、作年: 2008年、産地: ドイツ、色: 濃い紫、中心は白、香り: 中香、開花性: 返り咲き(我が家では一季咲き)、花形: 小輪/丸弁平咲き、樹形: つる(我が家では3m)
コメントをお書きください